病院に少しお世話になった。大腸に比較的大きなポリープがあり。これを切除したのだが、それにしても医療の現場の進歩に驚かされる。内視鏡の操作は複雑なマジックハンド。モニターを見ながら操る姿は、手術と云うよりテレビゲームに興じているようでもある。そうして患者もまた、自らの体内をモニターで観察し、切除やホチキスで閉じる(本当である)瞬間をまるで他人事のように眺めるのである。日頃から、歯科医や外科医は器用なのは云うに及ばず、何事も経験豊かで将に師と仰ぐべき人がなるべきものと思っていたが、考えを改めねばならない。器用にモニター上の敵を倒せばそれで良いのである。患者に直接触れることもなく、その痛みすら感じなくてもしっかりと手術が出来るのである。 即ち、テレビゲーム三昧でも良い医者になれる可能性を目の当たりにしたのである。果たしてこれは、進歩なのか。着実に、そうして急速に変わる世界を見てしまったような、あきらめに似た複雑な気持ちである。
バーチャルな世界。痛みを共有することなく、体温をも感じないそんな空間で、医者とそのスタッフ、そうして患者とがモニターに釘付けとなっている。これが進歩か。少し未来にはこの文化をいとおしく思うようになるのだろうか。
安全で苦痛のない治療を終え、かく思うのは結果が良いからであろうか。何を持って豊かとするかはともかく、「ミクロの決死圏」はすぐそこなのである。
ともあれパーツ修理によりジャンク‘者’復活である。うれしくもあり、さみしくもあり。お世話になった皆様に感謝、感謝の日々。
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