健康診断で便潜血検査が陽性となり、 精密検査(大腸内視鏡検査)の結果、比較的大きなポリープが見つかった。
ポリープ切除が求められ、入院治療を受けることとなった。
以下、その詳細記録(Vol.3)である。
●治療のための検査
レポート(1)でも「検査のための検査」を実施したが、治療を受けるためには同様の検査が必要とのことで血液採取。
検査内容は不明。但し、血液の固まり難さや胸部、腹部レントゲン、心電図等が加わった。
問題はないようで、特段のコメントもなく治療が始まる。
●内視鏡による切除なので、検査時同様治療の3日前より 昆布、わかめ、ゴマ、とうもろこし、果物の種など消化の悪いものは食べない。
酒も控える。(これが難しいが、普段通りが良いと勝手に解釈す。)
●治療前日、入院 昼の食事は粥である。
午後7時頃食事を済ませる。食事といってもほとんどスープのみ。情けなや。
夕食後より禁食。水分は消灯までは飲めるとのことだったが、消灯は21時。早い。
コーヒーを飲んでしまったが、あまり良くなかったようだ。
コーヒーも水分だと思うが...説明不足じゃないかな。ま、ほんの少し脂肪分があるか。
寝る直前にラキソベロン2錠を飲む。
腹が減って眠れないのは昔良く経験したが、久し振りだ。色々なことを考える。
●治療準備 いよいよ当日である。
・浅い眠りのまま午前6時を迎える。 普段飲んでいる血圧の薬を飲む。
・午前6時半頃 看護師が薬を用意してくれた。 検査時と同じものであるから詳細は特別レポート(1)でどうぞ。
下剤1.8リットルを飲み干し、6回程排便を強要されたのだが、
看護師のお見立てでは 「もうちょっとかなぁ。色が。」で、またまた例の下剤を1リットル追加。
看護師も大変だが、お腹ごろごろの私めもいささかぐったり。
●治療
・午後3時の予定が急遽午前11時前になる。
下剤でまだお腹ごろごろなのに大丈夫かなと心配になるが、 こんな私を気遣う人はいない。当たり前か。
特別レポート(1)同様に「まな板」にのぼる。
目は左側のモニターに釘付けとなる。
検査の時よりスタッフが多い。
研修医もいるのか、5~6人のようだ。ほとんど全員がモニターを見ている。
検査時も苦労したが、腸のねじれに医者が手こずっている。
巷のゲーマーの方が上手かも知れない。
腸壁を観察、ポリープなどの写真を撮影した後、いよいよ切除である。
検査での報告より大きいとのこと。且つ曲がり付近にあるため難しそうである。
内視鏡の先の注射針からポリープの根元に水を注入する。
小生のポリープは山が低く扁平なため水で浮かせるのである。
水で持ち上がったポリープにカーボーイよろしく針金の輪っかを掛ける。
うまく引っかけた輪を縮めると、「トン」と電磁開閉器の音。
針金に電流が流れたのか、愛しの我がポリープは音もなく落ちた。
こんな作業を2ヶ所行う。痛みは全くない。
他人事のようにモニターに見入るばかりである。メガネを外しているのでよく見えないが。
1箇所、組織をつまんで採取。生検(組織検査)を行う。また怪しいヤツがあるようだ。
これでおしまいかと思いきや、 大きく広がった傷口(切り口)を懸命につまんでいる。
手繰り寄せたその時、「カチッ」と腹の中から音が。
なんとホチキスだという。金属製で後に自然にはがれて出てくるとか。
3箇所処置してから切除したポリープを回収して無事治療を終えた。
ホチキスのその後が楽しみである。無事にお会いできますかどうか。
切り取ったポリープを見せてもらった。
親指の先ほどもある。
なんだか色といい、形といいタラコの端っこである。
血管が走っているところなんぞまさに生タラコ。空腹ゆえ実にうまそう。
ストレッチャーで病室まで寝たまま移動した。
なかなか経験できることではない。
役者気取りで天井ばかり見ていると、目が回る。腹が減っているせいか。
お陰様で比較的簡単に済んだが、開腹手術同様、退院後の生活に十分注意するよう看護師に何回も云われてしまった。
いい加減な男に映ったのだろうか。
人を見る目がある看護師である。
その晩は何も食べられない。もちろんタラコなんぞとんでもないのである。
治療直前まで飲んでいた下剤のせいか、一晩中お腹ごろごろ。
点滴も手伝って眠れぬ一夜を過ごす。
朝の粥ははたして最高でした。
まだ小さなポリープは温存されている。
食べ頃タラコ風になったらまた切除しましょう。変異しないことを祈りつつ。
それにしてもテレビゲームもどきの治療は、極めてあやしげである。
患者も手に汗握って観戦するような...奇妙な一体感はあるものの。
特別レポート 完
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