命日

アキバで　ジャンク品でも　漁ろうかな
と思っていたら
娘からメールで

命日だから　お線香を　宜しく　の由
しまった　親父の命日を
しくじった

９年前のことだ
肺がんが　急速に悪化
人工透析患者でもあり　抗がん剤にも多くを期待できず
手術も出来ないまま　あっという間の　出来事だった

あの時以来
ついこの間まで　何をしても　面白いということがなかった
自分の人生が　終わってしまったような
そんな心境だった

突然　心の支えを失ったのだ
支えられているという自覚は　それまで　全くなかったが
気付かぬ　大きな影響力が　あったようだ

人生の良き師であり　酒を酌み交わす　良き先輩でもあった
その偉大な存在を　突然欠いた　喪失感は
思えば　最近まで　続いたのだ

娘のメールに　ハッとしたが
その　忘れ得ぬ大きな出来事を
いつの間にか　少し　余裕を持って捉えられるようになっていたのだ

悲しみや　悔しさは　少しずつ忘れることが出来るように
そんな　うまい仕組みが出来ていたのだ
そうして　これからは
影響力を　及ぼして生きる番なのだ
明日の　ニッポンのために

親父　済まねえ
そっちで謝るから
燗でもつけて　気長に待ってておくんねえ
まだまだ　やんなきゃならねえ事が　沢山あるんだ
悪いな
どうしても云いたいことがあったら

出てきてもいいから