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猫のものさし

「猫久」という落語がある
「ネコきゅう」と読む

その登場(正しくは登場しない 話題に上るだけである)人物に
久六なる人がいる
私も そんな猫族猫科の 人間である
と勝手に思っている

人とぶつかり
些細なことで くよくよするのは
私のような 猫科A型人間だけだと思っていたら
そうでもないらしい

取るに足りないことを
色々考えてしまうのは 人である証拠でもあり
それはそれで 文化的なことなのである
と 自分を納得させる

問題は
人それぞれに 取るに足りないと思う
その 尺度が違うことにある

だから 些細なことで
人と人が 衝突する事もある
人の心を推し測る そのスケールを
相手によって変えることが出来れば
思いもかけず 人の本質に触れることが出来るのかもしれない

そうして それは
他愛もない憂いを 吹き飛ばしてくれる事に
きっとなるのだろう

スケールの その さじ加減だけの
身勝手な 話ではある

が しかし
人を 幸せにする 大切な
手だてのひとつなのだ と思う

だから この ものさしは
柔軟でなくてはならない

そう あるときは 大きく そうして あるときは繊細に
かの如意棒のごとく
意にかなうようで かなわぬ
柔軟さの コントロールが
人を 少しばかり 豊かにするのである

我がものさしの 小ささ 融通のきかなさを
改めて思う

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